専務に仕事をさせるには

私の言葉に副社長は眉を顰めジロッと私を見た。

甘えた様に可愛らしく言って見たが流石に無理があったか…

「実は会社を辞めるんだよ」

辞める?

「え?定年退職する様な歳じゃ…ないですよね?」

確か副社長は50にもなっていない筈。

「ああ、まだ内密の話なんだが、転職するんだよ!ヘッドハンティングされてね」

ヘッドハンティング!?

「えっどちらの会社に?」

「君も知ってると思うけども、ララ・モーレって会社…」

「はぁ!?ララ・モーレだ!?どういう事よ!?」

私はララ・モーレって聞いて、思わず立ち上がり副社長のネクタイを掴み上げていた。

「えっ?」

しまった… 

私は慌てて今野さんのネクタイから手を離したが、絶対怒って居るだろう副社長の顔は喜んで居るように見えた。

だが、直ぐに元の神経質っぽい表情に戻った。

え?なに?今の顔…

「私が転職する事がそんなに君に関係ある事かね?」

副社長はそう言って身なりを整えズレ落ちたメガネを上げる。

「あっごっごめんなさい…いえ…今野さんって麗美堂の副社長さんですよね?私、麗美堂の様な大きな会社に入りたくて…今野さんに御口添え頂けたらと思っていたので…あまりにもショックで…ごめんなさい…」

「麗美堂はやめた方が良いよ?麗美堂は下着業界では今のところ大手だが、それももう終わりだからね!」

「それはどういう事ですか?」





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