専務に仕事をさせるには
「七瀬さん、お待たせしてすみません」
「いいえ、お忙しいのにごめんなさいね?お仕事大丈夫だったかしら?」
「はい、大丈夫です。それで私に御用とは?」
昨日、七瀬さんの奥様から連絡があり、話が有るから時間を取って欲しいと頼まれ、いま駅裏に来ている。
「ええ、あなたに会わせたい人が居るの?」
会わせたい人?
「あの…会わせたい人とは?」
あっまさかお見合い?
七瀬さんは仲人するのが趣味らしく、以前良い人がいるから紹介したいと言われていた。
七瀬さんは行きましょうと言って私を連れて来てくれたお店は予約がなかなか取れないと言うレストラン。
「あの…ここはお昼は営業してないと…」
「ここのオーナーとは親しくて、今日は特別に開けてもらってるの」
え?開けてない店をわざわざ開けさせるってどんだけよ?
店内はお洒落でとても静か、勿論他のお客様の姿は無く、心地よい音楽がだけが店内を流れている。思わず仕事の事や煩わしい事、全てを忘れそうになる。
お店の方に奥の個室席に案内されるとそこには思いもしない人が待っていた。
「えっどうしてここに?」
「あなたがなかなか会って下さらないから、七瀬さんにお願いしたんです」
光永さんからはあらからも何度か電話やメールが来ていたが時間がつかないと全てお断りしていた。
「ごめんなさいね?騙すような事して?」
「いえ…」
その後、七瀬さんは私に気を使っての事だろう、他愛もない話をしながら三人で食事を頂いた。
食事が終りデザートが出てくる前に七瀬さんは、後は自分の力でなんとかしなさいと光永さんに言って帰って行かれた。
「すいませんでした。七瀬さんを使うような事をして…でも、こうでもしないと会って下さらないと思ったものですから」
光永さん…
「僕の事、本気で一度考えて見て頂けないでしょか?」
「有難うございます。光永さんの様な方に好意を持って頂けて光永です」
「本当ですか!じゃ」