専務に仕事をさせるには
「でも、ごめんなさい。光永さんの事は素敵な方だと思いますが…あなたは光永不動産の後を継がれる方で、私とは別の世界の人なんです。だから、貴方には貴方に相応しい方がいらっしゃると思います」
「僕の家がどうとか、住む世界がどうとか、そんな事関係ないです!あなたが家を出ろと言うなら僕は家を出ます!会社も継ぐなと言えば継ぎません!僕はあなたの家に婿養子に入っても構わない!」
「……貴方と私ではつり合いませんよ?」
「つり合うかつり合わないかは僕が決めます!」
僕が決めます…か…
「いいえやっぱり無理ですね?つり合わか、つり合わないか僕が決めます?笑わせないでけ下さい!いっときの感情で何もかも捨てて私のうちに養子に入っても良いとか…貴方何様ですか!?簡単に親を捨て、何十人何百人もの社員を見捨てる様な人、私にはつり合いません!貴方は自分置かれている立場や状況をなにも分かっていないガキです!」
「え?瀬戸さん?」
「会社を辞めてどうやって私を養って行く気ですか?今の御時世直ぐに転職先が見つかるなんて甘くないですよ?運良く見つかったとしても、私より収入は随分劣りますよね?私、そんな安い女じゃないですよ?人としてまだ半人前のくせに私にプロポーズとか百年早いっていうの!」
「瀬戸さん…」
光永さんは私の変貌ぶりに鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
「二度と連絡して来ないでください!」
私は席を立ち店を出た。
その後私は七瀬さんに電話してお詫びをした。
折角、七瀬さんが素敵なお店を用意してくれたが、残念な結果になった事をそのまま話した。
『そう?やっぱり断ったのね?』
七瀬さんはこうなる事を分かって居たようだ。