専務に仕事をさせるには
エレベーターを降り、副社長は会員制のSMクラブの入口横のインターホンを押す。
中から副社長の顔を確認したのか直ぐにドアが開いた。
名乗らなくてもドアを開けてくれるって事は副社長って余程の常連…なの?
副社長も慣れたものでそのまま入って行く。
中は薄暗く、音楽も無く、まして人の声もしない。
「あの…今野さん」
副社長はさぁ入ってと左右に並ぶドアの1つを開けた。
見たことの無い道具が床や棚にと置かれ壁にも掛かっている。
な… なに… これ…
見慣れない物に驚きと恐怖を感じる。
副社長は固まっている私を見て笑い「怖いかい?」と聞く。
「……べっ別に怖くないです!」
「へーいい度胸してるじゃないか?」と言うと副社長は私からバックを奪い取った。
「あっ… 」
「バックはここに置いておけばいい。部屋を出たとこに更衣室が有るからそこでこれに着替えて、30分したら入って来て来れ」と、渡された物は女王様の衣装。
え?
「逃げたかったら逃げても良いから」と、副社長は部屋から私を追い出した。
私は閉められたドアをただ呆然と見つめて立っていた。
キャッ!
急に腕を引っ張られ別の部屋に連れ込まれた。
「っ…なにすんのよ!?…あれ?渉」
私の腕を引っ引っ張ったのは、車で待機してる筈の渉だった。
「ちょっとあんたここで何やってるの?ってかよくここは入れたね?」
「ああ、俺も今迄遊んでた訳じゃないんでね!このビルの全ての店に渡りは付けてあるよ!」
へぇー流石じゃん?
「鈴々はこのまま非常口から出ろ!鞄は後から俺が回収する」
「え?何言ってるの?もしかしたら、これからララ・モーレの宮本に会うかもしれないじゃん!?」
「鞄は置いたままなんだ。もし、あの部屋で会うなら映像は撮れるから大丈夫だろ?」
ここまで来て逃げれる訳無いじゃ!
もし、ここで宮本に会うなら決定的証拠を掴んでやる!
絶対に言い逃れできない様に!