専務に仕事をさせるには
「大丈夫ですか?」と差し出された水を受け取り喉に流し入れる。
あー冷たくて美味しい。
専務に抱き抱えられ部屋へ戻って来るとなぜだか部屋に鶴見室長まで居た。
「あのどうしてお二人が居るんですか?」
専務が濡れたタオルを額に当ててくれる。
気持ちいい…
「迎えに来たに決まってるだろ!?」
「あの電話を切ってからそんなに時間経っていないですよね?」
「ああ、あの時は既に側まで来てたからな!」
え? だってお母さんの携帯電話だったよね?
「あの母もこちらに来て居るんですか?」
「いや、美子さんは来てない」
専務と鶴見室長は、今朝、私の家を尋ねた時テーブルに置かれていた私が送った蕎麦の送り先を見て直ぐにこちらに走って来たと言う。
そして母からの電話だと出るだろうからと母に携帯電話を借りて来て何度かかけたという。
確かに数件母からの着信もあった。
まさか専務が母の携帯を持っているとは知らない私は母からだと信じ旅館の電話からかけたのが間違いだった。
私は専務だとわかり直ぐに切ったが着信履歴から専務は折り返し電話をかけたら旅館が分かったと言う。