専務に仕事をさせるには
「要、お前ちゃんとプロポーズしたのか?」
室長? 専務がプロポーズしたかなんて今関係ないでしょ?
「一緒に住むマンションを探してくれって言ったよな?」
専務が私に聞くように言うがすかさず鶴見室長のツッコミが入る。
「誰と?」
「そんなのリンリンに決まってるだろ!?」
えっ!?
「で、式場は?」
「いい式場を探してくれって頼んだ… 仕方ないだろ!?一緒に見て回りたくてもここんとこ忙しくて俺も身動き取れなかったんだから! そんな事はお前も知ってるだろ!?」
専務の言い分に鶴見室長は「アホ!」と呟いた。
「瀬戸さん、こんなヘタレの事は忘れた方がいいですよ?」と言う鶴見室長。
「俺のどこがヘタレだ!」
「ヘタレだろ?」
「ヘタレじゃない!」
「いやヘタレだ!」と専務と鶴見室長は言い合っている。
どう言う話になってるのか分からないが、どうも私も関係しているような…
「あの… 専務? 結婚って誰とするつもりなんでしょ?」
「はぁ? リンリンに決まってるだろ? 他に誰がいる?」
誰がいると言われても困るけど…
「どこぞのご令嬢とご結婚されるのでは?」
「ご令嬢? 何いってるんだ? 俺はリンリンとしか結婚しない!」
いやいやそれは無理でしょ!?
「何言ってるんですか? 私が専務と結婚出来るわけ無いじゃないですか!? 身分や立場が違い過ぎます!」
「結婚に身分や立場なんて関係ないだろ!?」
「関係あります!!」
「無い!」
「有る!」
「無いったら無い!」
「有ります!」
今度は専務と私が言い合い、互いがひかない中、呆れたのか鶴見室長はいつの間にか居なくなっていた。
「鈴々」
滅多に鈴々と呼ばない専務は私の手を取り真っ直ぐ見つめる。
「鈴々は俺が嫌いか?」
嫌いなわけがないじゃないですか…
あなたの声を聞いただけで涙が溢れてきて…
あなたの顔を見ただけで嬉しくて…
あなたの事を思うと胸が苦しくなるのに…
でも、あなたと私は住む世界が違うの…
私が俯くと専務は私の顔を上げさせ俺を見て答えろと言う。
真剣な眼差しの専務に本当の気持ちを伝えなくてはいけないと思った。
「…好きです… でも」
専務は私の唇を塞ぎ後の言葉を言わせてくれなかった。
ぁあ… 専務…
あなたが好き…
私はあなたの側に居て良いの?