専務に仕事をさせるには

社に着くとそのまま社長室へと向かった。


私は社長に顔向け出来ない事をした。

専務の身の回りを綺麗にしてくれと言われた私が、専務と深い関係になってしまったのだ、どんな顔をしていいのか分からない。

「社長…ご迷惑をお掛けして申し訳有りません」

私は頭を下げた後も社長の顔を見ること出来なくて俯いていた。


「お袋、いや、社長、昨日はご迷惑をお掛けしました」と専務も社長に頭を下げた。


「詳しい話は鶴見から聞いています。二人とも座りなさい」


社長はいつもと変わらず、穏やかな柔らかい声で話す。


「今回の事は俺の言葉足らずが原因だった。ちゃんとふたりで話し合ったから、もう迷惑掛けない。お袋、俺達結婚する」


専務の報告に私は直ぐ様、顔を上げ反対の意を告げる。


「いえ、しません!」


「リンリン何言ってる? 昨夜、ちゃんと話したろ? リンリンだって」


「ええ、専務の側に居ると言いました。でもそれは結婚するという事では有りません。許されるなら愛人としてでも…… あなたの側に居たいです」


社長は私の愛人と言う言葉に顔を顰めた。


「何言ってるだ!? じゃ、腹の子はどうするんだ!? 父親の居ない子にするつもりか!? 俺はリンリンと結婚してこの子の父親になる」


専務は私のお腹に手を当て固い意志を伝える。





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