専務に仕事をさせるには
専務何をしてるの?ってか、お腹の子って何?この手は何!?
「瀬戸さんあなた妊娠してるの?」
社長は驚いた顔をするが私も驚いている。
「彼女は俺の子を妊娠してる」
「専務? 何方の方が妊娠してるんですか?」
「だからリンリンだって言ってるでろ!?」
専務は苛ついた様に言うが私には一向に専務の言っている意味が分からない。
「専務? 私は妊娠してませんよ?」
「いや、間違いなく妊娠してる!」
専務の私が妊娠しているという根拠はどこからくるの?
私自身妊娠している事を知らないのに… と、言うか私は妊娠していない。
専務、幻でも見たの?
あっもしかして何処かで頭打ったとか?
「リンリン、昨日は排卵日だっただろ? 俺、昨日はつけなかったから絶対妊娠してる! あそこは子宝の湯だしな!?」
確かに付けていなかった。
いつも必ずつけてくれていたが昨日に限っては付けていなかった。
「念の為に今からでもするか?」
専務はニヤっと笑って私に聞く。
目の前に自分の実の母親、社長が居るというのにこの男は何を言い出すのか…
「昨日は排卵日ではありません! 勿論今日も違います!」
なんで専務が私の排卵日を知ってるの?
まぁ間違ってはいるけどね!
そんなことないだろと専務は上着の内ポケットからスマホを取り出し何かを確認している。
専務は間違いない!ほら?と私にそれを見せてくれる。
見せられた画面にはなんと排卵日を予測するアプリが表示されていた。
もしかして私の排卵日を調べる為に?
嘘でしょう…
「な? 排卵日だろ? あそこの湯は子宝に恵まれるらしいし、朝まで頑張ったんだから絶対妊娠してる」
もしそうなら… 私はあなたの前から姿を消す。
あなたの邪魔をしたくないから…
あなたからの宝物と一緒に何処か遠くへ行ってその宝物と幸せに暮らします。
でも… 幸か不幸か妊娠はしてない。
「専務、それ間違ってます」
ここ数回、体調不良か精神的な疲れなのか生理不順だった。
「先程、お見えになりましたから」
「ん? 誰が来たんだ?」
私は生理が来たと伝えると専務はあそこの湯の効能は嘘っぱちかよ!?と呟いていた。
そして私同様、社長も専務の言葉に頭を抱えていた。