専務に仕事をさせるには

「はっきり答えなさい!! 要を愛してるの?! 愛してないの?! どっち!?」

「愛してます!!」と、社長の勢いに押されて思わず答えてしまって後悔する。

「でも…専務の婚約者が仕事とは言え下着モデルをしていたと言うのは…」

世間的に自慢出来ることではない。

私は会社の重役達に下着姿を見せて居たのだ。

そのせいで専務が白い目で見られるのは嫌だ。

「下着モデルをしていたのは、あなただけじゃないわ?初代は私なんだから!」

嘘!社長が自らモデルを!?

この話には専務も驚いていた。

「それからグレイスでも私が先輩よ!」と社長は楽しそうに笑う。

えっ!?グレイス??!!

当時の社長である会長と社長は会社が傾き掛けた時、会社からの報酬を一切受け取って居なかった。

その為生活費を得る為に会長の知り合いの大ママの店で働いていた時期が有ると話してくれた。

「あなたが会社の為に銀座で働く様になった時は驚いたわ
、それもグレイスなんだもの」と社長は笑う。

「じゃ、私がグレイスで働いている事知っていたんですか??」

社長は大ママから連絡を貰い知っていたと言う。

「大ママに言われたわ、こうと決めたら誰がなんと言おうとも聞かない頑固なところが私にそっくりだって」

あ…大ママが似てると言ったのは社長の事?

「ああ、本当にふたりはよく似てるよ!だが、俺はマザコンじゃないからそこのところは誤解するなよ?」

専務は私の肩を抱いて笑う。

そう以前専務にも言われた。よく似ていると…

「じゃ、創立記念パーティでは要の婚約者としてお披露目しますからそのつもりで!」

えー!?

「いいですね!!」と社長は最後に威圧的な目を向ける。

「いえ、ちょっと待って下さい!私はまだ…」

「この話は終わりよ!さぁ仕事しましょ」と社長は話を一方的に終わらせた。

私は意に反すると、言いたくてもふたりには聞き入れてもらえず、やっぱり有無を言わせないこの強引さは、親子だわ…と納得した。





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