専務に仕事をさせるには
良いのだろうか…と思いつつも専務との結婚を許されたと言うより強制された?事が嬉しくなり思わず頬が緩む。
「嬉しそうだな?」
「そうですか?」
勿論、嬉しい。でも、今は言わない。だって素直に言えば専務がどう出るか知ってるから!
「俺と結婚出来る事そんなに嬉しいか?」
専務は私の肩を抱き寄せて嬉しそうに聞く。
ほら来た!
「さぁ?どうでしょ?」
「痛っ…リンリン、抓る事無いだろ?」
私は、専務の手の甲を抓り腕を払いのけた。
私達は今、イタリアから来日している【BACIO】のデザイナー兼社長のアルヴェルトとの会食の席へと向かってる。
最近やっと運転手が決まったらしく私達は、今、社の用意した車の後部座席にふたりで座っているが、何も知らない運転手は一瞬驚きの目をルームミラー越しに向けた。
「公私混同には気をつけて下さい」
チッと舌打ちをして窓の外を見る専務がいじけてる様で可愛くなり、私は専務の左手にそっと手を添えた。
すると専務は黙ったまま私のその手を握ってくれた。
「しかし、なんでお袋はリンリンまで会食に付き合わせるかな?」
「そうですよね?専務は伊語は話せるんですよね?私が居なくても何の問題も無いですよね?」
専務は伊語を話せはするが、イタリアの男は嫌いだと言う。
はぁ?イタリアの男性が嫌い?なぜに?
「あの…その嫌いの理由を聞かせてもらっても良いですか?」
専務が言うには、イタリアの男性は女性を見たら誰でも口説かなくては失礼だと思っている所が気に食わないらしい。
「だから、リンリン、アルヴェルトだか、エロヴェルトだか知らないけど、隙を見せるなよ!?」
なにを言うかと思えば…
それもこれから取引を願い出る相手をエロヴェルトって…
これでもやりてと言われた男なのだろうか…
室長の話だと以前いた会社だけでは無く、他社からの引き抜きの話はあったと聞いている。
あちらではそれなりに名の売れた人だったらしい。