専務に仕事をさせるには

「旨い!」


専務の旨いと言う言葉に嬉しくなる。


「でしょ!? ここの味噌はおじちゃんのお手製なの、だから他の店では絶対に味わえないんでから!」


「ホントに旨い! このれんこんのきんぴらもピリッとしてこれは白米も良いけど」


「飲むかい?」


専務が言いたい事が分かったのかおじちゃんがビールを持って来てくれた。


専務は、はい!と言ってグラスを受け取り注がれたビールを一気に飲み干す。


「鈴々ちゃんも飲むだろ?」

と、言うおじちゃんに


「昨日、失敗しちゃったから暫く禁酒する」


「何やらかしたんだい?」と、言うおじちゃんに「恥ずかしいからナイショ!」と言って苦笑いをする。


おじちゃんは専務の事が気に入ったらしく


「こんな上質なスーツ着ているのにこんな汚い店によく来てくれた。 ありがとよ!」

と、言ってビールの次は焼酎を出して来て一緒に飲んで居た。

専務は随分飲んで居て途中何回も止めたが大丈夫と言ってさんざん飲んだ挙句寝てしまった。


「鈴々ちゃんごめんね? うちのひとが無理に飲ませて」


おじさんも酔い潰れて寝てしまっている。


「いえ、おじちゃんこそ大丈夫?」


「いつもの事だからから大丈夫よ!」


「じゃ、ご馳走様でした」と何とか専務に肩を貸しタクシーに乗り込む。


「専務! 何処に向かえば良いですか?」


肩を叩くと胸ポケットから今朝まで居たホテルのカードキーを出した。


え?

ひょっとしてずっとホテルに泊まってるの?


タクシーの運転手さんにホテルを告げる。





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