専務に仕事をさせるには

エレベーターを降り社長と鶴見室長と別れ私達は専務室に入る。


専務は「リンリン、おいで」と、私の手を取る。


あっ危ない! 

専務の目が狩りをする雄の目に変わっている。


「専務、仕事中は必要以上に触らないで下さい。 と、昨日も申し上げましたよね? 先程ロビーに沢山の社員が居て専務の顔を知る事となりました。 これからは社員全てがあなたを見る事でしょう」


これだけイケメンなんだから注目されるに決まってる。

今頃は彼が専務だと知り大騒ぎになっている事だろう。


「これからは軽率な行動は謹んで頂きます。 変な噂が立っては専務のこれからの立場に差し支えますから!」


「別に俺には良い噂はないから構わないよ?」


はぁ… いい加減大人になってよね!?

あなたはこの会社を継ぐ人なのよ!?

それに私が困るのよ!

体がいくつあっても持たないの!


「いえ、私も仕事がやり難くなります!」


「分かった… 君が困ると言うなら勤務中は君に手を出さない」

おや? やけにすんなり引いたな?

てっきりもう少し駄々をこねるかと思ったが…

まぁ素直で何より。


「分かって頂いて有難うございます」


専務は自席の椅子に座り、私が朝買って来た雑誌をパラパラと見る。


「それでは早速、この用紙にお付き合いした女性の名前と連絡先を全て書いて居て下さい」


私は専務の前に白紙用紙を1枚とボールペンを置く。


「ん? 君は?」


「私は一度秘書室に戻ってきますので、よろしくお願いします」


私は一礼して専務室を出る。





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