専務に仕事をさせるには
プップ、プップと煩い!
専務は後ろからクラクションを鳴らしていたと思ったら今は私と並行して車を走らせている。
「リンリン、車に乗れよ!」
「結構です!」
「せっかく迎えに来たんだからさ!」
「誰も頼んでいません!」
「リンリーン!」
恥ずかしいから呼ぶな!
私の後ろから聞こえて来た若い女の子達の声。
「ねぇあれってナンパ?」
「朝からナンパってさダサくない?」
「イケメンだけど残念だわ!」
秘書たる者、自分が仕えるボスを公衆の面前で辱めを浴びせて良いものだろうか…
私は立ち止まり専務に向き合う。
「今日だけですからね!?」
私は助手席に回り込み車に乗り込む。
「さぁーしゅっぱーつ!」と専務は機嫌良く車を走らせる。
「昨夜は恭子ママの所へ行っただけ?」
専務には恭子ママのお店に電話をして貰っただけなので他に何処の店に行ったか気になるようだ。
「もう一軒行きましたよ」
「何処行った? 銀座の店か?」
あれ? 雅ママから連絡入ってないの?
てっきり連絡入ると思ったんだけどな…
「まぁそんなとこです。 あっ駅で降ろして下さい」
「どうして? 会社はもう直ぐだし、別に一緒に出勤すれば良いだろ?」
「新聞を買って来ます。東京駅だと英字新聞も色々買えますから」
「ひょっとして昨日俺の机に置いてあった沢山の新聞や雑誌ってリンリンが買って来たのか?」
「そうですよ? 専務が何を好むかわからないし、海外のニュースは気になるだろうと思って」
2年前までアメリカに居たんだからあちらのニュースにも興味があると思ったから。
すると専務は大きなため息を付いた。