専務に仕事をさせるには
専務がお店の扉を開けると中から野太い声が聞こえる。
「いらっしゃいまーせー」
「雅人は居るか!?」
「ママー! 彼が来… キャー ツヨポン❣ ミミに会いに来てくれたのね? うれピー❣」
専務の後に隠れるように居た鶴見室長めがけて走って来る残念なニューハーフ。
この人ミミさんって言うんだ?
「ミミちゃんストップ!ストップ!ステイ!ステイ!」
専務から私の後ろへと逃げる鶴見室長。
「もぅミミから逃げたらイヤ〜 ツヨポン〜❣」
どうにか鶴見室長を捕まえようと必死のミミさん。
あーだから鶴見室長来るのを嫌がってたのか?
私の周りを鶴見室長とミミさんがグルグルネズミと猫の様に追っかけっこをしてる。
「アハハハ、ミミさん頑張って!」
「瀬戸さん! お願いだから助けてよ!」
いつもポーカーフェイスの鶴見室長の情けない顔。
こんな顔が見れるなんて思いもしなかった。
会社の人達が知ったらどんなにビックリすることか?
「モテる男は辛いですね? 1度くらいミミさんの気持ちに応えてあげたらどうですか?」
「そうよ❣ 鈴々ちゃんの言うとおりよ❣ 一度味わったら忘れられないんだから❣ ツヨポン〜❣」
「瀬戸さん!! なんてことを言うんですか!? 私には愛する妻も子供も居るんです!! 冗談でもそう言う事を言わないで下さい!」
「アハハハ、ごめんなさいぅプップッ」
ダメだ笑いが止まらない。
「煩い!! お前らいい加減にしろ!! ミミ、雅人を早く呼べ!!」
「はーい」
専務の一喝で騒ぎは収まりミミさんは奥の部屋へ雅ママを呼びに行く。