専務に仕事をさせるには

雅ママは私達に水割りを作り、自分の分も作るとその琥珀色の水を喉に流し込んだ。


「要の大事な女だという事くらい俺にだってすぐに分かったよ!」


今まで女言葉だった雅ママの喋り方が変わった。


私が大事な女? 

秘書としてまだ専務の役にたっていないけど?


「向こうの会社でも秘書は付けずに仕事をしていたって言っていて、日本に帰って来ても女を作らなかったお前が女の秘書を手元に置くんだからな? だから、何もしてねぇよ!」


そしてまた琥珀色の水を口へ運ぶ。


「親友の好きな女に手を出すほど女に不自由してないからな!」


親友の好きな女?

私が?


「その女も、お前の秘書だって言ってた割に俺の話にだんだん落ち込んでいくし、酒を煽るように飲み始めたからな? 要の事が好きなんだってすぐに分かったしな! だから寝ると言って服を脱ぎ始めたからチルチルに頼んで楽な服に着替えさせた」


やっぱり何もなかったですか? 良かった!

だが、専務に睨まれ小さくなる私。


「まぁお前に連絡しようと思ったが、少し要をからかってやろうと思ってな? 鞄に入っていた免許証を見て家に送った」


雅ママは煙草に火を点け煙をくぐらせる。

格好は女装してるけど、煙草を吸う仕草はやっぱり男の人の色気を感じる。


「でも、要はその女には何も言ってねぇだろ? こっちでの仕事が終わったら向こうに帰るからか?」


え? やっぱりアメリカへ帰るの?

だから向こうの会社に席を置いたままなの?

向こうで必要とされてるから?

会長や社長だってあなたを必要としているのに…


「さぁーな?」


「要!? このままだと!?」


何かを言おうとした鶴見室長に専務は


「分かってる! どちらにしても取り敢えず彼奴が何を考えているのか調べてからだ!」





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