専務に仕事をさせるには
いつの間にか家の近くまで来ていた。
「専務、今の事が片付いたらアメリカへ帰っちゃうんですかね?」
「さぁな? 頼んでみたら? 帰らないでくれって?」
「私が頼んでも何も変わらないですよ… それに…」
「それに?」
「銅鑼息子なんて噂されてるけど全然違うみたいだし、今日の仕事をしてる姿見ていたら、この人本当は凄い人なんだなぁって…」
「能ある鷹は爪を隠すってな!」
「いや、専務は、どっちかと言うと昼行灯の大石内蔵助ですね?」
「へぇ昼行灯の大石内蔵助か? だったらおスズは、りくだ?」
「どうしてそうなるんですか!? 私達はそんなんじゃないです!」
「そうかな?」
私が妻なんてなれる訳無いじゃない!
同士にもなれないのに…
「おスズ、要を信じてやれ?」
「ええ。信じますよ秘書ですから! まぁ専務がなにをしようとしてるか分かりませんけど、秘書として頑張りますよ! 送って頂いて有り難うございました」
車から降りようとした時、玄関のドアが開いて母が出てきた。
「車の音がしたから誰かと思ったら、雅ママじゃない!」
「あら? おスズのママさん❣ おこんばんわ❣」
「ねぇ雅ママ上がって飲んでいかない?」
「う〜ん折角だけど車だからね〜、それより今度うちの店にいらっしゃいよ❣ サービスするからさ❣」
「うん、いくいくー❣」
「キャーイクイク❣なんておスズママのエッチ❣」
「キャーやっだぁ」
アホか…
玄関先で大きな声でなんてことを言ってるのか…
恥ずかしいわ!
「二人共いい加減にしなさいよ!? そんな大きな声で近所迷惑だからね!」
私は二人を置いて家の中に入った。