専務に仕事をさせるには
すると鈴木さんはそれに食いついた。
「なに? ここだけの話にしといてあげるから教えて?」
「実は飲みに行ったクラブのお姉さんに聞いた話を如何にも自分が調べ上げた話にしたらしいですよ?」
「えっそうなの?」
佐世保常務の件はその場に居なかった副社長の耳にも当然話は入っている筈。
「翌日、専務が話してるの聞いちゃったんです。佐世保の叔父の件は俺の手柄になったよ有難う。礼はちゃんとするよって!」
「じゃ、お金でも払ったの?」
「さぁーどうでしょう? 男と女の関係みたいでしたよ?」
「マジで!? 女遊びばかりしてるって本当だったの?」
「見たいですよ? だから向こうの会社が専務を手放さないのは女絡みか、よっぽど上の人間の弱みを握ってるからクビに出来ないってどこじゃないですか? 近いうちにあちらに帰るって言ってましたから」
鈴木さんはそういう事か…と納得したようだ。
「じゃー私帰ります。 あっ鈴木先輩、今の話は内緒にして下さいね? 私が話したって分ったらクビになっちゃいますから?」
「勿論、可愛い後輩を困らせる事はしないわ!」
私は荷物を持ち、お先でーす❣ と秘書室を出た。
扉を閉めた後私は耳を澄ませる。
すると…
『副社長、専務の事は心配ないみたいですよ? ……… ええ ……… スタイルの良さしか取り柄の無いお馬鹿な秘書がベラベラはなしてくれました。 玲華のお手柄でしょ? 今夜会ってくれます? ……… えーまたグレイスですか?』
玲華のってもしかしてここも不倫?
あらら… でも私の話を信じたみたい。
私の演技って中々のものね? ウフフ。
ポーカーフェイスも良いけど、私にはこっちのほうが合ってるみたい。
ここをクビになっても女優で生きていけるかしら? なんてね! ウフフ。
さぁー行こう!
「あれ? 瀬戸さんなにか良い事有りました?」
エレベーターをちょうど降りて来た鶴見室長は私の顔を見て何か感じたのか声を掛けてくれたが
「いいえ何も? お疲れ様でした」
私は笑顔で答えそのエレベーターに乗り込んだ。