この広い世界で、2度目の初恋を


『泣いたり笑ったり、色んなアイツの顔を知るたびに、いつの間にか、七海がほっとけなくなってて……』


なに、それ……。

私をほっとけないって、ゲームとかじゃなくて?

それとも、心からそう思ってくれてる?

鼓動が早くなって、やだ私……また期待しようとしてる。

なんで、裏切られるって分からないの。


『心から、添田さんが心配なんだね』

『あぁ……その気持ちは、嘘なんかじゃねぇ』


……どうして、そんな事言うの。

やめて、樹くんの事を信じたくなっちゃう。

突き放されるなら、いっそ深い関係にならない方がいいんだよ。

その方が、傷が浅くて済む…。

そして、身じろぎをしようと体を動かすと、ギシッとベッドのスプリングが鳴ってしまった。

………あっ!!

とっさに叫びそうになって、口元を手で覆った。

これでバレたら、もう一生樹くんの顔見られないよ!

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