この広い世界で、2度目の初恋を


「気にしないで?大丈夫だから」

「七海先輩……何で、そんな優しいんスか……」

驚いた顔で私を見下ろす舵くんに、私は小さく笑う。


「そうかな?自分じゃ、よく分からないな…」


でも、誰かに優しく出来るのはきっと……。

樹くんがくれた優しさのおかげだと思う。


「俺、七海先輩に助けてもらった礼がしたいんスけど、何か困った事ありますか?」


「困った事……」


しいて言うなら、ペンダントを、探してほしいけど、見る限りここには無い。


心当たりがあるところは、隅々まで探したから……。


「探し物してませんでした?俺、一緒に探しますよ」

「でも……結構探したの。思い当たる場所も無くて…」


諦めるなんて出来ない。

あれは、私の初恋の王子様との思い出だから。

今は樹くんが好きでも、あの日の思い出は、簡単に手放せない。



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