残念な姉
「緊急連絡いたします。生徒会執行部は今すぐ生徒会室に集まってください。繰り返します…」

ん!?

授業開始2分前

今から古典で憂鬱な気持ちを吹っ飛ばすような素敵アナウンスが流れた

「ラッキー♪」

私はひぐちゃんに行って来ると伝え廊下に出た


「おーい!」

廊下に出てすぐ後ろから声をかけられ
振り返ると…

「捕まえた!!」

ドスッ

ちっちゃい生き物が胸の辺りに飛び込んできた

「閑先輩…」

こんなことを私にしてくるのは、もうこの人しかいないんだけど

「えへへ…一緒にいこー!」

むぎゅっと腕をつかまれ頬を摺り寄せてくる

「剛先輩はどうしたんすか…」

そんなことは彼氏にやってくれ…

「剛なんかしらないもん!」

ぷいっとそっぽ向いてちょっと泣きそうになる閑先輩

「また喧嘩ですか…?」

先輩は首をブンブン横に振り

「剛が一方的に悪いんだもん!」

と視線を下に落とす
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