久遠の愛と約束を

MRIも撮ったけど、結果は特に脳にも異常がなく、ぶつかった事で出来たたんこぶの腫れが引けば問題ないらしい。



学校で転んだ事で出来た外傷、という扱いにしてもらう書類を提出して私たち3人はまた車に乗った。





3人とも無言のまま、私の家の前に着き車が止まった。


「紘那ちゃん、一応怪我人だから気をつけてね。
何かあったらすぐ葵に連絡して」


「ありがとうございました、遥亮さん。
葵も…ありがと…」



後部座席から扉を開けようとした時、隣に座っていた葵に腕を掴まれた。


その手はプルプルと震えていて私の腕によく伝わってくる。



「あたしは、紘那の味方だから。
だから、もう…もう…1人行動はなしだからっ」


涙をぽろぽろと流しながら葵は私に強い口調で言う。


私はズキズキと痛む頭を縦に振り、車から降りた。

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