ユウガオ
一瞬驚いた顔をして
彼は
可愛い、と一言おでこに
ほほに唇を当てた。
ぺろっと唇を舐められ思わず
緩めた口に彼の舌が入ってくる
「っふっ」
つい漏れた声に彼は
「ばか」と小さくいうと
シートベルトを外し
私に覆いかぶさるうに
唾液の垂れるような濃厚な
キスをお見舞いした
冷静に心の中で思ったことは
伊達に私より15年も長く生きてない
キスでとろけそうだった
良かった、夜中の一時で
踏切の手前でどれだけの
時間止まっただろう?