「15―イチゴ―」

──side†壱†──
 
 "笑った顔が見たい──…"

そう思って、犬のぬいぐるみが集まるUFOキャッチャーの前で操作をしていた。


取れた瞬間、めちゃくちゃ嬉しくて葵本の顔が浮かんだ──…。


どんな反応するかな──…

笑ってくれっかな──…


そう思いながら振り返ると葵本と目が合ってドキッとした。


ドキドキしながらぬいぐるみを渡すと、嬉しそうに受け取ってくれた──…。


「時間、大丈夫?」


ゲームセンターの外に出ると、辺りは真っ暗だった。


「大丈夫だよーっ」


そのあとは、晩ごはんを食べに行くことになって、駅前のファミレスへ。


2人して、声を揃えてドリンクバーで
【イチゴミルク】を頼んだ。


その瞬間、やっぱり!!と一緒に笑い合って
不思議と話も弾んで楽しくて、送っていく間も話をしていた。
< 127 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop