白球に想いを
正直、肩を叩く力を間違えてるんじゃないかと言いたくなるくらいいたかった。
グラウンドに入るなり、ベンチに座る監督らしき人を見つける。
なんて言うべきだろうか。
遅くなってすみません?いや、でも、音楽部行ってたのは知ってるはずだし……。
「あ、う、こんにちわ!音楽部の方に行ってて遅れました」
合ってたかな。
大丈夫かな。
「おう、お疲れ」
あ、それだけ?
意外にも笑顔でそう言われた。
正直ビックリだ。もっと何か言われると思っていた。
それになんだか、柔らかそうに笑う監督の笑顔が、胸を締め付けたような気がした。まぁ、気がしただけだけど。
パタパタと玲さんの方に戻っていった。
「どうだった?」
少し楽しそうに、玲さんが聞いてくる。
「そうだなぁ……なんか柔らかく笑う人なんだね…一応挨拶したよ」
「まぁ、起こると怖いけどね〜」
玲さんが苦笑いをすると、つられて高島さんも苦笑いをした。
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