呼吸(いき)するように愛してる
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保育園の年長組、六才になった七月の終わり──

今週の金曜日の夕方から、保育園の恒例行事『七夕祭り』がある。

園庭を中心に、園児の保護者が担当する、ポップコーンやミニパフェのコーナー、保育園の先生が担当する、いくつかのゲームコーナーがある。

七夕祭りのオープニングでは、私達年長組がダンスを披露する。毎日たくさん練習していて、夢の中でも踊っていたと、何度かお母さんに言われた。

年中組になった去年からは、甚兵衛ではなく浴衣を着せてもらうようになった。

水色に、赤やピンクの金魚が泳いでいる柄は、お母さんと一緒に選んだお気に入りの柄だ。

お姉ちゃんのお下がりの浴衣が、私にはまだまだ大きすぎて買ってもらえた。ちょっと…じゃなくて、かなり嬉しかった。

願い事を書いた短冊を付ける笹も、もちろんある。短冊は、いつも二枚ずつ配られる。

文字が書けない頃は、匠くんに書いてもらっていた。

私が願い事を伝えると、サラサラ~と書いてくれる。匠くんの書く文字は、本当にきれいなんだから!

匠くんが書いてくれた短冊に、私は絵を描いたり、シールを貼ったりしてデコレーションする。

去年は『あさくら みう』と自分の名前だけ、ひらがなで書いた。

今年は、一通りひらがなが書けるようになったので、短冊に書く願い事も、全部自分で書くつもりだ。

それでも!短冊を書く時は、匠くんに見ていてもらいたい。その事を、きちんと匠くんに伝えていなかった。

「美羽、たんざくは、じぶんでかくからっ!」

胸を張って、匠くんにそう宣言した。

「たんざくはじぶんでかくけど、匠くん、ちゃんとみててね!」

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