呼吸(いき)するように愛してる
どう違うのか、うまく言えないけど……

私が、一応“大人”になったから、そう感じるのかな?

やっぱり、匠くんは優しいし、私の話をじっくり聞いてくれる。仕事で、疲れているのに。

……変わらず…と言うより、前よりもさらにカッコよくなった。

匠くんからにじみ出る、大人の男の人の色気に、私はクラクラさせられている。

この前だって……

いつも通り、午後九時過ぎに帰ってきた匠くん。

私が早く自宅に戻れるように、帰ってきたら、サッと部屋着に着替え、夕食を食べる。

後片付けを手伝ってくれて、私は、追い出されるように帰る……というのが、よくあるパターンだ。

でも、その日は「悪いけど、先にシャワー浴びていい?」と聞かれ、「いいよ!ごゆっくり!」なんて答えた。

今日は一日、雲一つない青空が広がっていた。気温も上がり、日中は汗ばむくらいだったから、匠くんも汗を流したいと思ったんだろう。

いつもよりのんびりと、匠くんの夕食と明日の朝食の準備をした。

毎日、こんなペースでもいいのになぁ……

肩に掛けたタオルで髪の毛を拭きながら、シャワーを浴びた匠くんがやって来た。

「あ~、サッパリした!」

「昼間、ちょっと暑いぐらいだったよね」

そう言って匠くんを見る。匠くんの微笑みを浮かべた顔が、ふと真顔になる。

『どうしたの?』そのまま匠くん見つめていると、匠くんがゆっくりと近付いてきた。

私の前に立つと、匠くんの両手が、私の両肩にそれぞれ乗せられる。

「!?」

またっ!?なんて焦っていると、やっぱり匠くんは、私の胸元辺りに屈んで顔を近付けた。

スゥーっと、大きく息を吸う。その後、顔を横に動かし肩を上げ、自分の匂いをクンクンと嗅いでいるようだ。

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