呼吸(いき)するように愛してる
熱い頬を両手で挟んで、私は軽くソファーにもたれた。

酔ったつもりはないけど…酔ってるのかな?
不思議な感じ。

「美羽ちゃん、酔った?」

須賀さんに訊かれ、私は首を振る。

「いいえ~、そこまで飲んでません!…ちょっと、顔が熱いだけです!」

そう答えてニヘッと笑うと、須賀さんに苦笑されてしまった。

「気付いたんですけど、途中からずっと私が、須賀さんの質問に答えてばかりでしたよねー!?」

「そうだっけ?」

私が小首を傾げて訊くと、グラスに口をつけながら須賀さんが答えた。

「そうですぅ!…はい、はい!須賀さんに質問です!今日はメガネをかけていませんが、いつものメガネは伊達ですか?」

私が右手を上げて訊くと、須賀さんは、フッと笑った後に答えてくれた。

「はい、そうです。伊達メガネです」

「どうして伊達メガネをかけてるんですか?匠くんも伊達メガネをかけているし、四つ葉銀行には、そんな決まりでもあるんですか?」

須賀さんも、そうだったんだ!須賀さんが、伊達メガネの理由を教えてくれるかもしれないと、期待の眼差しで見つめる。

「……栗原主任には、訊かなかったの?」

質問に質問で返されて、ガクッとなる。

「訊いたんですけど、教えてくれなかったんです!」

唇を尖らせて言った後、再び期待を込めた上目遣いで須賀さんを見た。

須賀さんは唇の片端を上げて 、少し意地悪そうに笑った。

「本人が話さない事を、俺が話してもいいのかな?」

「須賀さんに聞いたなんて、絶対に言いませんからっ!」

両手を胸の前で組んだ、お祈りでもするようなポーズに、ウルウルとした瞳で 須賀さんを見つめた。

「仕方ないな……その代わり、俺のお願い一つ聞いてくれる?」

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