呼吸(いき)するように愛してる
薄く笑いながら、間近で私を見下ろす須賀さんは、それまでと全然空気が違う。

ロックオン、された……須賀さんの微笑みに、身震いをする。

「初めて美羽ちゃんに会った時、可愛い子だと思ったのに、なんか反応薄いし。様子を見ようと合コンに誘ったら、俺の事めちゃめちゃ警戒してるし。そのくせ、自分の中で“いい人認定”したら、簡単に警戒を解いちゃうし……」

須賀さんが右手で、私の髪の毛を一房手に取る。私は、ビクッ!と肩を揺らした。私のその反応に、須賀さんは満足そうに笑った。

やっぱり、コワイ……!

「今日美羽ちゃんの話を聞いて、よ~くわかったよ。生まれた時から、栗原主任達に守られて、小学校からは、同級生に守られてた。君が小さい時から、男の子に苛められていたのは、君の事が気になっていたから。美羽ちゃんにわかりやすくいうと、君の事が好きだったから」

須賀さんの思わぬ言葉に、眉間にシワを寄せた。

「好きな女の子ほど苛めてしまうという、バカなガキにありがちな事。美羽ちゃんも、聞いた事があるでしょ?小学校の高学年になったら、そういう事、減ったんじゃない?バカなガキも、それなりに成長するからね」

辛辣な言葉で須賀さんが告げる事は、確かにそうだったように思うけど、あれが、そうだったの?

「中学・高校では、『ヒロくん』て幼なじみが、ずっと君の傍にいたんだろ?顔がよくて、勉強ができて、スポーツができて。そんなヤツが傍にいるのに、近付こうとするヤツは、よっぽどバカか、自分に自信のあるヤツだ。男って、結構プライドは高いからね。君はモテなかった訳じゃない。デキるヤツが傍にいて、近付けなかっただけだ」

そういえば知花さんも、そんなような事、言っていたかも……突然そう聞かされても、私にはピンとこない。

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