呼吸(いき)するように愛してる
……私の、バカ!!どうしてこんなに、わかりやすいのっ!!

私の話を聞き終わり、可愛く唇を尖らせた知花さん。

「須賀さんの事、見損なった。私の美羽ちゃんを……成敗しなきゃ!」

知花さんの可愛い唇から飛び出したのは、将軍様のようなお言葉でした。

「知花さん、お手柔らかに……」

「大丈夫!ちょっと後悔させるだけだから!」

愛らしく微笑んだ知花さんに、私は苦笑を浮かべた。



いよいよ今日は、匠くんの二十八才の誕生日!!

朝からソワソワして、家に帰ってからのお料理の手順を、何度も頭の中で繰り返した。

大丈夫!匠くんが帰ってくるまで、時間は充分にある!……はず……

誕生日ケーキは、匠くんの好きなチーズケーキを昨日焼いた。

帰ってから、フルーツと生クリームで軽くデコレーションして、真ん中に『お誕生日おめでとう!』のチョコプレートを置けば、それっぽくなる!……はず……

あぁ……今から緊張して、変な汗が出る……

そんな私の様子を見て、知花さんは何かあると確信。

「何、何?何があるの、美羽ちゃん!?」

と小首を傾げて、可愛らしく訊いてくる。

「全てが終わってからご報告します。今はお許しを」

と、頑なに口をつぐんだ。今は、いろいろと余裕がない。

「もう~!その時は、全部喋ってもらうからね!」

プッ!と頬を膨らませた知花さんに、宣言されてしまった。



「お先に失礼します!」

定時となり、脱兎の如く事務所を飛び出す。合コンを控えた時の知花さんと、いい勝負だと思う。

「とりあえず、がんばれ!」

背中に、知花さんからのエールが届いた。

愛車に乗り込み、今日の手順を頭の中で確認。もう、今日だけで何度したかわらないぐらいだ。

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