呼吸(いき)するように愛してる
今さらな匠くんの問いに、戸惑いながら答える。

「俺と美里は付き合ってない」

静かだけど、きっぱりと言いきった匠くん。

「えっ!?……じゃあ…前は、付き合ってたよね?」

「美里とは、一度も付き合った事ない!もちろん、そんな風に意識した事もない!」

益々、強く言いきった匠くん。何で?全然訳がわからない!

「……付き合ってない?だって、ともママに訊いたら、付き合ってるみたいに言ったから……」

匠くんは、何かに気付いたように小さく「あっ」と言った。

「そうだよ。俺も母さんから聞いて、美羽は知ってると思ってた。俺達が中学の時も、今も、美里が付き合っているのは兄貴だ」

「っっ!!」

うそっ!!美里さんが付き合っていたのは、要お兄ちゃん!?

えっ!?えぇっ!?混乱しながらも、小学生の頃の記憶を引きずり出す。

ともママに「美里さんは“彼女”?」と訊いたら「気付いた?」て言って……

「あっ!!ともママと美里さんの話をした時、私どうしてもイヤで、匠くんの名前は一度も出してない!……ともママからも、匠くんの名前も要お兄ちゃんの名前も、聞いた事、ない…気がする……」

「それは、つまり……」

「私の勘違いだったって事~!?」

ガクッ!と全身の力が抜けて、ソファーに沈みこんだ。

うそ~……長年、匠くんと美里さんの事で心を痛めてきたのは、私のただの勘違いだったって事~!!

何の涙がわからないけど、ジワッと瞳に膜が張ってくる。

「だって、初めて美里さんと会った時、すごく仲良さそうだったし……」

「一応同級生で、同じクラスだったしな」

「バレンタインに、わざわざ届けてくれたとか……」

< 199 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop