呼吸(いき)するように愛してる
「兄貴が熱を出して学校休んだから、わざわざ自宅までチョコを届けに来てくれたんだよ。俺が預かってもよかったんだけど、どうしても直接渡したいって。もちろん、兄貴に!」
「帰り、匠くんが送って行くって言うし……」
「仕方ないだろ!チョコをもらった本人は、熱が下がったばかりだったし!」
私が唇を尖らせながら吐き出す言葉は、ことごとく匠くんに粉砕される。まあ、わかってみれば、納得のいく事ばかりだけど。
「『別れた』て聞いていたのに、匠くんも美里さんも、同じ四つ葉銀行に就職してるし!」
「いやあ、この偶然には、俺も美里もマジでびっくりした!」
「……あっ!そもそも匠くんが『美里』て呼び捨てにしたから!…友達の女の子の事、そんな風に呼んでるの初めて聞いて、ついつい、匠くんの特別な人なんだなぁって!」
沈みこんでいたソファーから身体を起こし、どうだ!言わんばかり反論した。
「……美羽、美里のフルネーム、知ってる?」
大きく溜め息をついた後、匠くんがそう言った。
「はっ!?フルネーム?…知らない!『美里』て名前しか知らないもん!」
フン!とそっぽを向いて答えた。完全な八つ当たりだけど。
「……美里のフルネームは、美里 貴恵(みさときえ)ていうんだ」
「えっ!?……みさときえさん……?」
「ああ。…美里は、名字だ」
「っっ!!」
私は、口をあんぐりと開けて固まった。
うっ、うそ~~!!そこからっ!?そこからすでに勘違いしていたなんて!勘違いに勘違いを重ねて、一人で辛くなっていたなんて!
私の苦悩の十数年が、走馬灯のように浮かび、驚きすぎて一度は引っ込んだ涙が、ブワッと一気に溢れてきた。
「う"っ!……もう……なんで……」
自分に、呆れるやら、情けないやら……ちびっとだけ…イヤ、かなりだけど。ホッとした気持ちもあって。
「帰り、匠くんが送って行くって言うし……」
「仕方ないだろ!チョコをもらった本人は、熱が下がったばかりだったし!」
私が唇を尖らせながら吐き出す言葉は、ことごとく匠くんに粉砕される。まあ、わかってみれば、納得のいく事ばかりだけど。
「『別れた』て聞いていたのに、匠くんも美里さんも、同じ四つ葉銀行に就職してるし!」
「いやあ、この偶然には、俺も美里もマジでびっくりした!」
「……あっ!そもそも匠くんが『美里』て呼び捨てにしたから!…友達の女の子の事、そんな風に呼んでるの初めて聞いて、ついつい、匠くんの特別な人なんだなぁって!」
沈みこんでいたソファーから身体を起こし、どうだ!言わんばかり反論した。
「……美羽、美里のフルネーム、知ってる?」
大きく溜め息をついた後、匠くんがそう言った。
「はっ!?フルネーム?…知らない!『美里』て名前しか知らないもん!」
フン!とそっぽを向いて答えた。完全な八つ当たりだけど。
「……美里のフルネームは、美里 貴恵(みさときえ)ていうんだ」
「えっ!?……みさときえさん……?」
「ああ。…美里は、名字だ」
「っっ!!」
私は、口をあんぐりと開けて固まった。
うっ、うそ~~!!そこからっ!?そこからすでに勘違いしていたなんて!勘違いに勘違いを重ねて、一人で辛くなっていたなんて!
私の苦悩の十数年が、走馬灯のように浮かび、驚きすぎて一度は引っ込んだ涙が、ブワッと一気に溢れてきた。
「う"っ!……もう……なんで……」
自分に、呆れるやら、情けないやら……ちびっとだけ…イヤ、かなりだけど。ホッとした気持ちもあって。