呼吸(いき)するように愛してる
いろんな感情が一緒になって、ごちゃ混ぜになって、よくわからなくて。子どもの時のように、ワンワンと泣いていた。

匠くんは眉尻を下げながら、私が泣いているのをしばらく見守ってくれた。

「美羽……取り込み中に申し訳ない。どうしても、気になる事があるんだけど」

ティッシュ数組を私に差し出しながら、匠くんが切り出した。

「ありがと……何?」

ティッシュを受け取り、 チーン!と鼻をかんだ。

「その……さっきからの美羽の言動を見れば、美羽は……もしかして……俺の事……好き…なのかな…とか…」

なんだかはっきりしない匠くんの喋りに、少しイライラする。うん、やっぱり八つ当たりだけど。

「そうだよ!物心ついた時からず~~っと!私は匠くんが…匠くんだけが、大好きだよっ!!」

何を今さら……なんて最後に呟いて、私は鼻息荒く言いきった。

匠くんは、うっすらと頬を赤く染めた。……もう、照れた匠くんは可愛い……カッコいいだけじゃないなんて、ズルい。

「そう…だったんだ……美羽、だんだん『大好き!』て言ってくれなくなったから、あれは、小さい頃だけの、“憧れ”みたいなものだと思ってた」

「だって匠くんには、美里さんがいると思ってたから。『特別な人』は一人だけでしょ。私が『大好き!』て言っても、仕方ないのかな、逆に匠くんを困らせるのかな…とか思ってた」

「そっか……」

匠くんが、柔らかく笑って私を見た。

……ぐちゃぐちゃな頭で、話の流れからの勢いで「匠くん大好き!」宣言をした私。

私が、匠くん本人にそう言っていたのは小学校低学年まで。久々に、ましてや大人になってからは初めての「大好き!」だったのに……何、あれ……

今さらながら羞恥心が込み上げてきて、顔が熱を持つ。

「でも匠くん!美里さんと、車の中で抱きあってたよね!?」

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