呼吸(いき)するように愛してる
お姉ちゃんに、東高を目指していると話したら……

「恋の力で、がんばんな!」

と一言。やっぱり、お姉ちゃんもお見通しだよね……

夏休みは、頭のてっぺんまでお勉強漬けだった……

夏休み明け、担任の先生に志望校を東高に変えたいと言った。冗談だと思われたので、みちるちゃん、ヒロくんの三人がかりで話した。

「……ちゃんと、テストで結果を出していけ!」

薄く笑っていた顔から、表情を引き締めた後、先生はそう言った。

「「「はいっ!!」」」

三人で、元気よく返事した。

それから私は、思い付く全ての時間を、お勉強の時間とした。

トイレにも参考書を持ち込んだ。食卓で単語帳を捲っていたら、お母さんが取り上げた。

「きちんと栄養をとる事は、しっかりと勉強する為にも大切な事でしょ?気分転換も!」

私は、ハッ!として頷いた。


年が明けて、受験勉強もいよいよ追い込みを迎えた頃……

私は、思わず飛び上がってしまうようなニュースを伝えられた。

「匠くん、卒業したら、こっちに帰ってくるのっ!?」

今年、大学を卒業する匠くんは、地元の銀行『四つ葉(よつば)銀行』に、入行が決まっていると教えられた。

「っっっ!!!」

驚きとあまりの嬉しさに、声にならない叫び声をあげた。

本当はもっと前にわかっていたが、嬉しさのあまり私が舞い上がり、受験勉強に支障を来してはいけないと、栗原・朝倉両家でしばらく言わない事を決めたそうだ。

……私のお惚けキャラは、両家ではまだまだ健在だ。

かなり、しっかりしてきたつもりなんだけどな……

その事を知った私のやる気は倍増した。

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