呼吸(いき)するように愛してる
テレビや雑誌でも紹介されているというそのカフェは、とてもおしゃれでキラキラして見えた。

来ているお客さん達も、みんなおしゃれできれいで、都会の香り?みたいなのを感じた。

自分が、ものすごく場違いな所に来ている気がして、急に緊張してきた。私、浮いてないかな……

周りのきれいなおねえさん達をキョロキョロと見ながら、ともママからずっと前に聞いた話を思い出していた。

「要がね、カフェのお客さんから、連絡先を書いたメモを、よく渡されるんだって。連絡する気もないけど、放っておいて、変に期待を持たせるのも悪い気がして……お店のパソコンを借りて『先日は、御来店ありがとうございました……』なんてお礼状みたいなメールを、仕事の合間に送っているんだって。まったく、何やってるんだろうね!」

そう言って、ともママは苦笑していたけど。優しい要お兄ちゃんらしいと思った。

要お兄ちゃんのカッコよさは、やっぱり都会でも通用するんだ……

地元でも、モテていたけど。こんなにたくさんの人がいる都会でも、要お兄ちゃんの容姿は目を引くんだ……

少し垂れがちの目を細めながら、いつも優しい笑みを浮かべている要お兄ちゃん。

元から少し明るめの髪色と、細くて柔らかそうな髪の毛は、要お兄ちゃんの優しい顔を、さらに穏やかな雰囲気にしている。

匠くんは、キリッと凛々しい顔つきをしている。髪の毛は、黒髪サラサラストレート。長めの前髪をかき上げる仕草はカッコいいし、前髪の間からのぞく瞳に見つめられるとドキドキしてしまう。

タイプは違うけど、やはり兄弟。二人はよく似ている。

匠くんも大学で、よくモテていたんだろうな……きれいなおねえさん達に囲まれた、匠くんの画が頭に浮かんだ。

それを振り払うように、自分の頭を振る。

「美羽、大丈夫?」

ハッ!としてみちるちゃんを見ると、静かな瞳で私を見つめていた。

「うん…大丈夫!」

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