【完】好きなんだからしょうがないだろ?



「っ、ご、ごめんなさいっ……」



なぜ、こうなってしまったかって言うと……。



あのあと、バイクを走らせる轟先輩の後ろに乗せてもらったあたしは色んな意味で失神しそうになった。



だって……バイクの後ろに乗るなんて初めてだった上に、困惑の中しがみついた轟先輩の大きな背中に密着してるからで。



微かにシャンプーのような匂いなんかもしてて。



大胆、なんてこと出来る勇気もないけど、そうしてないとまさに……“振り落とされて”しまうと思ったから。



ーーー“アンタの話を聞きたい”



学校からそこそこ離れた場所でバイクを路肩に寄せた轟先輩は、そう言って横顔を見せた。



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