【完】好きなんだからしょうがないだろ?
ギロリと向けられた轟先輩を不快にさせてしまって申し訳ない。
その理由は、あたしが場違いであること間違いないシュガーマカロンを提案したことも大いにあるけど。
「麻白。俺は犯罪を犯した覚えはないが、どこかで指名手配でもされてるのか?」
「違います……っ、あのっ、それは轟先輩の貫禄ーー、オーラがですね……」
「あ?」
「……っ、すみません!」
席に通されたあたしと轟先輩に注がれる視線。
帝王の名の元に、やっぱり轟先輩が圧倒的な存在感を放つからだった。
ほぼ女の子しかいないこの空間で、轟先輩を見ては惚れ惚れしている。