【完】好きなんだからしょうがないだろ?
空から降ってきたなんてまるでおとぎ話のようで。
「まあ、アンタと違って許せないのは俺じゃない。アイツの方だけどな」
鋭い眼光が消え入った轟先輩の表情が、切なさを帯びていく。
絶対王者は、誰を思い出したかなんて、あたしには知る由もなくて。
「そ、その人は。本当に、轟先輩を許せないんでしょうか……」
ピクリ、と轟先輩が反応する。
なんで、こんなことを口走ったのか自分でもよくわからない。
「もしかしたら……心のどこかで、轟先輩を許したいのかもしれなくて。だけど、許せない事実を、どう受け止めたらいいか、わからないのかもしれません……」