【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「み、三葉っ…………!?」
そんな莉子の慌てる声とともに、あたしの身体はポスッと受け止められる。
「……お前、意外と大胆だな?」
「っ、」
ギュっと閉じた目を開くと、大嫌いな四ノ宮 玲央の腕の中にあたしの身体は収まっていて。
甘いバニラの香りに胸が急に加速を増した……。
「……きっ、きゃあああああ”ぁっーー!!」
けたたましいほどの悲鳴はあたしではなく、先程まで熱に浮かされていた周りの女子の声。
最早あたしは、誘惑プリンスの胸に飛び込む無礼者と認識されてるんだろう。
「こっ、これは、事故でしょうが!だいたい玲央が、からかうからっ……!」
頬がみるみるうちに熱くなったあたしは動揺を隠しきれない。