妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~
ふーんと、それ以上の追及もなく話しは終わるが、瑞希の話しは続くようだ。


「新入社員として初めて会った時から守屋は目立ってたぞ。あの容姿だぞ?初め、高校生がバイトに来たのかと思った」


「あーーー俺もビックリしました。研修で初めて会ったんですけど、どっかで間違えて紛れ込んだんじゃないかと思いました」


そうなのだ。まず瑞希はその容姿で大抵の人に驚かれる。
150センチしかない身長に、黒目がちの大きな二重の目、カラーリングはしていないと言うが、ハーフかクォーターかと思うくらいの薄茶色の髪をストレートに肩下まで下ろして、前髪も眉毛の上で綺麗に切り揃えられている。髪が黒ければ日本人形のようだ。
加えて透き通るような色の白さに、ほとんどの人は圧倒される。

素っぴんでもなんの支障もないその素顔に成人しているようには見えなかった。


はっきり言って、美少女という単語は彼女のような人に使うのだと誰もが納得した。


が、更に驚くべき事は彼女の性格だ。


誰もが勝手に花のように笑い話す姿を想像した。が、そこにいたのは、今の影山をも上回る無愛想さで誰も寄せ付けない守屋の姿だった。


「まぁなぁ、あいつもあの容姿のせいで色々あったみたいだしなぁ、まぁ女どもからの嫌がらせなんか日常茶飯事だっただろうな」


今の瑞希の姿からは想像できない影山は、えっ?と動揺をみせる。瑞希が無愛想?


でもまぁ、会社は学生とは違うからな、昔ほどじゃなかったにしろ秘書課や受付嬢辺りからもやっかみみたいなのもあったなぁ。

そうでしたねぇ。


なんて話す二人に、何のんきに言ってんだと、影山はふつふつと怒りが沸いてきた。

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