妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~

「だけどなぁ、守屋も柴崎と本田がいたからやってこれたんだろうな」


その辺は少し聞いている。
初めてできた親友だと。
少しはにかんで、照れたように話す瑞希の笑顔に、柴崎と本田に嫉妬したことは内緒だ。


「いやー。あの二人と仲良くなってからの守屋は変わったな。ふっきったように開き直って、無愛想で近寄りがたかったのが、纏う空気が柔らかくもなったしな。元々モテてきたから男のあしらい方も上手かったが、あの笑顔が俺は恐かった、、、」


「そうですねぇ。同期の間でも姉御的な存在になってますね」


何故か皆守屋に伺いをたててから集まってたな。と、高宮は思った。


影山も、あの三嶋が守屋に対しては何処か遠慮がちだと思っていたが、勘違いでもなかったようだ。


「ちょっとでも、理不尽なことがあると笑顔で追い詰める言い方をするんだよ。それが又容赦なくてな。守屋の上に水谷いるだろ?あいつは一番の被害者だぞ。まぁ、水谷が悪いんだがな」


面白そうに三嶋は笑う。
そう笑う三嶋に対しても、ああ見えて瑞希は信頼している節があり、自分を容姿云々関係なく仕事をきちんと任せてくれると。そんな当たり前の事も今まではしてもらえなかったと溢したことがあった。


何故かその事を思い出し、三嶋を睨むように見てしまった。


なんだ?と、三嶋がこちらを向く。


「………以前守屋さんが渡した雑誌ですが……」


そう言い出したとたん、ブッッと三嶋がむせた。


「なっ、、、」



< 63 / 85 >

この作品をシェア

pagetop