妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~
「………言いたくない」
「えっ?ここに来てまさかの拒否?」
「知らん」
口元だけでなく顔ごと両手で覆い、ぶっきらぼうに答える。
「まじですか………じゃあキスもノリ?
若いなぁー」
じわりと目尻が滲む気配がして、慌てて立ち上がる。
「急に何かと思ったよーおばちゃんからかわないでね。ははははは」
軽口を叩きながらカチカチと、パソコンを操作して、シャットダウンしていく。
まだ頭を抱えてうずくまる高宮を横目に、一気に逃げれるように頭で計画する。
よし。パソコン落ちた。
荷物…持った。
……いまだ!
「私帰る!!お疲れ様!」
言ったと同時にダッシュで出口に向かう。
今はさすがに笑えない。
一緒に居たくない。
その場のノリだがなんだか分からないが、完全にキャパオーバーだ。
こんな感情のまま向き合えば、一気に気持ちが溢れるのがわかる。
『同期』としても一緒に居られなくなるなんて嫌だ。
よし。逃げよう。
「じゃあね」
と、言い捨てながらエレベーターまで突っ走る。
「えっ?おい。柴崎!」