〜後悔〜壮絶なDV体験ーDVの心理〜逃げなきゃだめだよ!
それからしばらく経ち、孝明の提案もあり毎月のイベントも積極的に雄大も率先
して色々動いてくれていた。



ある日グループ連絡があり仕事も早く終わって、帰りに食事に向かうとそこには雄大と友人の司(つかさ)しかいなかった。


一瞬、雄大も優美も目を合わせると顔が固まった。


お疲れ様ですといつも通りお決まりの挨拶をかわす。


優美『あれっ?みんなは?』


雄大『ああっ‥今日は用事があるみたいで。』


優美『えっ?そうなんですか。寂しいですね。』



何を話したら良いのか解らない雄大は相変わらず仕事の話しかしない。


雄大の言葉を聞いて気になることがあった。


気をつかったり、気さくに会話を合わせることも、弁がたち、人の話を聞くのも、リアクションも上手い雄大だが

言葉の使い方や話し方からやはり、気になっていた心の中にある強い劣等感や恐怖心、自信の無さを感じた。

明るく元気にハキハキと力強く大きなリアクションであっても

言葉の使い方、思考のパターン、一瞬一瞬の反応や表情の動きをよく観察する優美は物凄く気になっていた。

雄大の強過ぎる劣等感は優美には全く理解ができなかった。

それでも嫌な顔をみせられない。

なぜそこまで雄大が自分自身の評価を言葉で低く表現するのかも。

全ての評価が極端に低すぎる。

『自分は』の主張が強すぎる。
否定的な思考を物凄く感じた。
反対に物事を無理に肯定する中に否を感じる。


『認められたい‥!褒められたい‥!』
雄大と会話をしていると、どことなく雄大が心の中でそう言っているように聞こえた。

優美は強烈な劣等感をもった男性は苦手で避けていたが雄大だからほおっておけなかった。



ここまで強過ぎる違和感に直面したことがなかった優美は雄大の話を聞いて合わせることしかできない。







雄大は前妻が結婚前から鬱病を患っていて結婚後は想像以上にあまりに鬱病が重かった。
暴れたり、遺書を遺し突然いなくなり警察と一緒に捜索することが何度もあった。妻を支えたかったが、鬱病が重すぎて生活ができなくなり別居をした。親同士が話し合い結婚して半年で離婚になった。
今でも大切だった妻を支えられなかったことを後悔している。何度も妻からやり直したいと連絡があるが、今はもう前妻に対してきもちはない。


真面目な雄大の辛そうな表情に
そう聞いた優美は心が痛くなった。


前妻が雄大の店でお客として来店していたのを時々、孝明達とみかけていた。
清楚で可愛らしい女性なのに、とても弱々しく不幸な雰囲気を物凄く感じるほどだった。


弱々しく衰弱していた雰囲気を醸し出す前妻から‥


優美の身に降りかかることを全く想像もできていなかった。






世の中色んな性格の人がいると、その時はそこまで気にはしていなかった。




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