〜後悔〜壮絶なＤＶ体験ーＤＶの心理〜逃げなきゃだめだよ！

ある日優美の携帯に孝明から連絡がはいった。


孝明『お疲れ様です。』


孝明から連絡が入るといつもホッとする。


優美『お疲れ様です。』


優美の声は笑顔になる。


孝明『今、仕事中？夜もバイト？』


優美『夜はバイト休みだけど、少しなら大丈夫だよ。』


孝明『ご飯いかない？』


優美『うん。いいよ。』



雄大とのことは孝明には一切伏せていたが、雄大に気を使って孝明は連絡してこなくなった。



優美は久しぶりの連絡に何かあったのかと少し気になった。




孝明『久しぶりだね。』


優美『ほんと！久しぶり。』


店の中でも相変わらず孝明と優美の二人の間には穏やかで静かな時間が流れる。


優美『最近、雄大さんのとこいってるの？』


孝明『うん！いってる。それでさ。ちょっと困ってる。』


優美『どうしたの？』

孝明が少し恥ずかしそうに笑う。


優美『え？どうしたの？

気になるじゃん！言ってよ！』


少し間を置いて孝明が話し始める。


孝明『あのさ‥‥‥麻帆ちゃんにさ。

好きだから付き合ってくださいってずっと言われててさ‥。

歳も離れてるし、こんな俺よりもっと違う人にしなっていってるんだけど。』


優美『良かったじゃない！なんで？

私は、孝ちゃんも真帆ちゃんのことが好きだとおもっていたよ。

前から言われてたんじゃないの？付き合っちゃえば？

真帆ちゃんのこと、どうおもってるの？』



孝明『どうしたらいいのか迷ってる。

それで真帆ちゃんから、俺と優ちゃんが何も無いのかずっと疑われてる。』


優美『えっ？！なんでそうなるの？』


孝明『雰囲気的にお似合いだし、俺と優ちゃんをみてて恋人だとずっとおもっているらしい。

優美さんのこと好きなんですか？

どうおもってるんですか？ってしょっ中聞かれる。』



優美『ええっ‥‥そんなこと言われても‥それで、どう答えたの？』



孝明『何言っても信じてくれないし‥


優美さんのこと、どう思ってるんですか？って聞かれたから

優ちゃんのことは、良いとおもってるよって。

じゃあ、私のことは？って聞くから

うん、好きだよって。』


また孝明のよくわからない発言が出た。



優美『はいっ！？なんじゃそりゃ！

良いと、好きの違いがわからないわ！

あーーーっ！もうっ！！！

そんな言い方したら真帆ちゃんを不安にさせるじゃない！』


孝明が真帆の気持ちに戸惑っているからだと優美は感じた。




孝明『優ちゃんは、俺のことどう思ってるん？』


また突然、孝明が優美に唐突に聞く。


優美『えっ‥。なんで？』


孝明『だって、全然連絡くれないし電話出ないし、俺のこと避けてるでしょ？
そりひに、忙しそうだからあんま連絡できないし。』


優美『そんなことないよ。孝ちゃん忙しそうだからあんま連絡するの悪いし‥。』






孝明『そっか。ふーん。雄ちゃんは相変わらずだわ。優ちゃん優ちゃん言うとるわ。』

孝明が吹き笑う。


優美『あああ‥そうですか‥。』

優美は引きつり苦笑いをする。
もうそれ以上は聞きたくなかった。


孝明『真帆ちゃんからも言われた。

雄ちゃんから優ちゃんのこと相談されとるって。』

優美『相談？なんで相談？』


孝明『あんな可愛いし、絶対に彼氏いるって。俺なんか告白したところで相手にされないし、どうせフられるにきまってるって。

真帆ちゃんがいつも、なぐさめとるわ。』


優美『‥‥‥そんなこと真剣に悩みそうなところが、雄大さんらしいね。』


優美の想いを全く察することができていないのかと思うとガッカリした。



優美は雄大に対して精一杯の表現で表しているつもりだった。

（さすが雄大さんだ‥なんという勘の鈍さなんだ。

先がおもいやられる‥。

しかも私は見世物じゃない！雄大さんはどういうつもりなの‥！

なんという臆病さなの！？）





孝明『優ちゃん、雄ちゃんと付き合っちゃいなよ。』


優美『ええっ、なんで？』


孝明『雄ちゃんは良いと思うよ！大事にしてくれるよ。』


優美『‥‥‥私、雄大さんから直接、聞いてないし言われた訳じゃないし。』





孝明にさえ隠し続けた。


優美にとってそれほど大切なものだったから誰にも触れられたくなかった。


簡単になど考えられなかった。




雄大が勇気を出して自分の気持ちに向き合えるかが その先重要になってくる。


ずっと雄大を待っていて


雄大の臆病さには、少し呆れていた。







まさかその時、雄大が真帆ちゃんの前で涙を流しているなんて想像すらしていない。