復讐アプリ
神埼祥子は白目をむいて、すでに意識を失っていたが、それでも私は、神埼祥子の頭を殴り続けた。




〈 復讐のシナリオは、死ぬまで神埼祥子の頭を金属バッドで殴り続けることになっている。

私はその復讐のシナリオをリアル化しなくちゃ。

私は呪い姫から、逃れなくちゃ 〉




辺りに神埼祥子の血が飛び散り、彼女の額は陥没していた。




私は息をきらし、もう動かなくなった神埼祥子を見下ろすと、
私の頭の中に響いていた呪い姫の声がようやく止んだ。




私はそのとき、神埼祥子が死んだことに気づいた。




私は人を殺し、復讐のシナリオをリアル化した。




これで私は、復讐アプリから逃れられるかしら?




私はそんなことを思いながら、血まみれの金属バッドを片手に、
殺人現場から離れていった。
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