イジワル副社長に拾われました。
「俺のそばにずっといてくれるんだろ?」
航さんの言うそれは、きっと二週間前の私の告白のことを指している。
思わず顔が真っ赤になる私を見て、意地悪そうに微笑む航さん。
「……琴乃と出会って、もっと頑張ろうって思えた。お前がそばにいてくれるなら、もっと頑張れそうな気がするんだ」
意地悪な笑顔とは裏腹に、紡がれる言葉はとても甘くて、私の心にじんわりとドキドキが広がっていく。
「でも私、何もない女ですよ? 実際今だって、何をすればいいのかわからずに、ただ毎日を生きているって感じなのに」
「前も言っただろ。焦らなくてもいい。ゆっくり見つけていけばいいって」
「航さんの、そばで?」
「ああ。俺のそばで」
エンジンの音が消え、車が停止する。
気づくとそこは、航さんのマンションの駐車場だった。
てっきり私のマンションまで送ってくれているのかと思っていたのに、意外な場所で止まったものだからキョロキョロしていると、横から航さんの呆れたようなため息が聞こえてきた。
「まさかお前、今日そのまま帰れると思ってたんじゃないだろうな」
「そういうわけでは……」
もちろん、航さんと過ごす初めてのクリスマスイブ。
私だって期待していなかったわけじゃない。
お洋服だって、この間買い物に行って選んだワンピースだし、下着だってオニューの可愛いものをつけてきている。
顔を真っ赤にしてうつむく私の頭を、航さんの手がポンポンと撫でた。
「俺は、最初から帰す気なんかなかった。だから黙ってついてこい」
力強いその言葉に、私は小さくうなずいた。
「散らかってるけど、適当に座ってて」
「はい」
ドキドキする気持ちを抑えながら、ソファに腰を掛ける。
キッチンから戻ってきた航さんの手には、ふたつのグラスとワインのボトル。
「さっきは飲めなかったし、改めて乾杯しようぜ」
そう言って、手に持っていた荷物を広げる航さん。
「帰り際に姉さんに渡されたんだよ。『後でふたりで飲んだりするでしょ』って」
そこには、私たちがまるで何を飲むのか予想していたかのようなワインに似合う軽いおつまみが詰められていた。
航さんの言うそれは、きっと二週間前の私の告白のことを指している。
思わず顔が真っ赤になる私を見て、意地悪そうに微笑む航さん。
「……琴乃と出会って、もっと頑張ろうって思えた。お前がそばにいてくれるなら、もっと頑張れそうな気がするんだ」
意地悪な笑顔とは裏腹に、紡がれる言葉はとても甘くて、私の心にじんわりとドキドキが広がっていく。
「でも私、何もない女ですよ? 実際今だって、何をすればいいのかわからずに、ただ毎日を生きているって感じなのに」
「前も言っただろ。焦らなくてもいい。ゆっくり見つけていけばいいって」
「航さんの、そばで?」
「ああ。俺のそばで」
エンジンの音が消え、車が停止する。
気づくとそこは、航さんのマンションの駐車場だった。
てっきり私のマンションまで送ってくれているのかと思っていたのに、意外な場所で止まったものだからキョロキョロしていると、横から航さんの呆れたようなため息が聞こえてきた。
「まさかお前、今日そのまま帰れると思ってたんじゃないだろうな」
「そういうわけでは……」
もちろん、航さんと過ごす初めてのクリスマスイブ。
私だって期待していなかったわけじゃない。
お洋服だって、この間買い物に行って選んだワンピースだし、下着だってオニューの可愛いものをつけてきている。
顔を真っ赤にしてうつむく私の頭を、航さんの手がポンポンと撫でた。
「俺は、最初から帰す気なんかなかった。だから黙ってついてこい」
力強いその言葉に、私は小さくうなずいた。
「散らかってるけど、適当に座ってて」
「はい」
ドキドキする気持ちを抑えながら、ソファに腰を掛ける。
キッチンから戻ってきた航さんの手には、ふたつのグラスとワインのボトル。
「さっきは飲めなかったし、改めて乾杯しようぜ」
そう言って、手に持っていた荷物を広げる航さん。
「帰り際に姉さんに渡されたんだよ。『後でふたりで飲んだりするでしょ』って」
そこには、私たちがまるで何を飲むのか予想していたかのようなワインに似合う軽いおつまみが詰められていた。