イジワル副社長に拾われました。
「はいはい。そっちこそ、業務中に彼女とイチャつくのは程々にね」

じゃあね、とウインクをして、未来さんは風のように立ち去った。

「相変わらずだなあ」

憎まれ口を叩く航さんも、相変わらずだけど。と思ったことは心の中にとどめておいて、わっきまで未来さんが座っていた椅子に腰を下ろした。

「今日も遅いんですか?」

「いや。ちょっと早く帰れそうだから、帰り飯でもどうかと思って、誘いに来た」

「行く、行きます!」

航さんとデートなんて久しぶりだ。授業を受ける生徒のように右手を天高く挙げる私を見て、航さんがハハッ、と声を出して笑った。

「それだけ喜んでもらえると、誘い甲斐がある。じゃあ、終わったら迎えにくるから」

「はい」

そう言って私の頭を撫でると、軽く唇が触れた。

「わ、航さんっ。誰が見てるかわからないっ!」

顔を真っ赤にした私とは反対に、相変わらず航さんは涼しい顔。

「じゃ、後でな」

「もう。いっつも余裕たっぷりなんだから」

航さんが出ていったドアに向かって、小さくつぶやく。






いつも私の前を歩いている航さんには、なかなか追いつけそうにない。

でも、そんな航さんのそばにいるから、私は頑張ることが出来るんだ。

頑張る私の心の中には、航さんから贈ってもらった言葉がいつもある。

『どんな時でも前向きに、元気よく。輝く女性になるために走り出せ』

その言葉を胸に、私はこれからも生きていく。

大好きな、愛する人の隣で。






Lady Go!










【Fin】
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