甘い恋


帰る時間が来て、先輩と帰ることにまたさらに緊張が高まる。



前に先輩の丸まった後ろ姿が見える。


先輩が私を見つけて、「じゃあ、帰ろっか。」と言う。



その色素が薄い目で見られたら、自然と顔が熱くなる。



深呼吸。深呼吸。前も一緒に帰ったんだから。



「今日も、暑いな。」


「へっ。あっ、そうですね。暑い。」



手で仰ぐ。


沈黙が続く。






「あ、あの。先輩。」



「なーに?」



目が合うと、照れてしまい。言いたいことが言えなくなる。



「いやっ、なんにもです」



「なによ、なんか言いたいことでもあるの?」




きっと先輩は気づいてる。



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