それでもボクはキミを想う
太陽のエチュード


 ~藤崎響(ふじさきひびき)~



チームに入った僕は、今迄の生活と180度変わり、大学生最後の年は、目まぐるしい日々を送っていた。

別に大学が忙しい訳ではない。
あの人と知り合って…そう、あの人ですよ!!

“No.3の隊長(リーダーの事を僕は隊長と呼んでいる) 一ノ瀬仁”

♪♪♪♪♪~
朝早くから携帯が鳴る。

“誰だろうと?”と画面見れば…
“一ノ瀬さん”だ!!

僕も初めは、“ ああっ!!一ノ瀬さんから電話だ!!”と、感激も束の間…

今では毎日うっとおしぃほどかかって来ては呼び出され、僕はいつの間にか、隊長に駒使いの様にショップや身の回りの事を手伝わされていた。

『あ、響?おはよぉさん。今日もよろしゅうなぁ!』

『あっ、あのぉ…
すいませんが、今日は午前中に出席しないといけない授業があるので…』

『ほな、今日は急がへんから、それ終わってからでええで!』

『…はっはい。わかりました…』

ほうら…僕は断れない。

就活も終わって、僕は大手自動車会社に就職が決まっていた。
勿論、僕の愛車の“N”の会社!

なのに…

なのに…

なのに…

突然の内定取り消し…

理由を聞けば、僕から内定辞退の連絡したとか!?
だっ誰やねん!?勝手に僕の内定断ってしまった人は!!
落ち込む僕に姉貴の一言が追い討ちをかけた…

『こないだねぇ、響の就職先聞いてきたから、教えたんだ。そしたら、すぐに電話して、
“今回ですが、せっかく頂いた内定を辞退させて下さい。自信ないんです…僕…”
なんて響の振りして断ってたの。
でも、響の振りしたの、全然似てなくて笑っちゃったよ!!
それでもバレないんだもん。結構、会社もいい加減だよねぇ?』

何て事したんだ!!二人とも!!

酷い…

僕が努力して勝ち得た内定を…

貴方は僕の振りして何で断ったんですか!!

ああ…僕の人生…隊長~、貴方は…

責任取ってくれるんですか!?

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