強引上司がいきなり婚約者!?

1階のレセプションルームに着いてすぐ、予定より3分早く金森さんご夫婦が来社した。

今日はたまたま旦那さんのお仕事がお休みだったから、兎川さんがすぐに打ち合わせの時間をつくってくれて助かったって。

キラキラ爽やか営業スマイルで対応する兎川さんの隣で、私も恐縮して頭を下げる。


いつも天上天下唯我独尊な彼を見てるから、なんだかむず痒い。

私にもそういう優し〜い顔で笑ってくれればさ、兎川さんを怖いと思ったりしないのに。


兎川さんは四人掛けのテーブルの上に、作成したばかりの資料を広げていく。


「お探しの土地は、旦那さまの勤務地から1時間以内の郊外、ハザードマップ上も問題のない地域と地盤。スーパーが徒歩圏内なら尚良し、とのことでお間違いないですか」


ふんわりとした雰囲気の優しそうな奥さまが、眉を下げてこくりと頷く。


「それから、リビングをなるべく広くしたいんです。子供部屋へ行くときには、必ずそこを通るような動線にしたくて」


隣に座る銀縁メガネの旦那さまも、なんだか肩身が狭そうだ。


「電話でお伝えした通り、ほかにも譲れない条件がいくつかあるんです。でもなかなかいい土地が見つからなくて。もし朝比奈ホームさんにお願いしてムリなら、妥協するしかないのかなと思っているんですが」
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