強引上司がいきなり婚約者!?
私はいそいそとシートに座りなおし、今度は興味津々で彼の横顔を見つめた。
まだ実感がない。
あの兎川さんが私を好きだったって。
それも、『ずっと』なんだって。
そう言われて思い返してみると、彼と過ごした短い毎日もなにもかもがくすぐったく思える。
「あの、いつから……?」
これが現実なんだって確信のほしい私は、そっと問いかけた。
「ん?」
「いつから、私のこと好きでした?」
兎川さんはその調子のいい質問に、ぐるりと目を回してみせる。
それでも怒ったり、呆れたりはしない。
目をキラキラと輝かせる私を横目に見ると、ニヤリと笑って、一言一句言い聞かせるようにゆっくりと言った。
「教えてほしいか? 家に着いたら嫌ってほどしつこく教えてやる。あの手この手で、懇切丁寧にな」
「えっ」
含みを持たせたような言い方に、頬が真っ赤になった気がした。
私がピシリと固まったのを見ると、兎川さんが満足そうに唇を歪ませる。